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30/01/2007

ほらね

最高裁主催の「裁判員制度フォーラム」で
共同主催の新聞社が報酬を出して「サクラ」募集。
 
誰も「裁判員制度」になんか興味がないから
ヒトが集まらないのだと言う。
 
自分の足元、よく見てごらん。
それでもみんなに興味を持ってもらえると
思っているなら、残念ながらあなたの(裁判所の)
客観的事実把握能力は特別低いと言う事になっちゃうよ。

敗訴、勝訴、そして敗訴

「勝てばいい」というのが当事者の持つべき当然の
感慨かもしれないけれど、私はそうは思わない。
 
Aさんが書けば勝訴、Bさんが書けば敗訴と言う
節操と整合性のなさにつくづくがっかりさせられる。
 
法的義務がないといったり、義務はあっても義務違反は
ないといってみたり、政治的義務ならあると言ってみたり。
あなた達、自分が感じた事を与えられた高い場所から
垂れ流してるだけなの?
 
自動車製造ラインでの、最後の検査工程。
Aさんが検査したら合格、Bさんが検査したら手直し。
そんな自動車に、誰も怖くて乗れないでしょう。
こんな裁判を続ければ、国民誰も裁判所なんか信じなくなる。
 
 
ちなみに、カメラがちらりと裁判官席を映した時、
右目と左目の間の位置が歪んで、すごく凶暴な顔のヒトがいた。
怖い怖い。夢に見そう。
22/01/2007

殺人者が弁護士になること

2chというのは、本当に凄い。
 
1969年に、同級生を刺し殺して、10分もかけて
首を切断し、その頭を蹴り飛ばしたと言う男性が
弁護士になっていると言う。被害者家族は
家庭崩壊、現弁護士となっている加害者は
結構手広く商売をやっていると言う。
 
まさか、と思う心理は、なんとしてもどこの
なんと言う名前の、どんな顔をした弁護士か
知りたいと思わせる筈だ。その欲望を、2chは
見事にかなえる。実名は、見事に晒されている。
「法に触れるか触れないかでなく 、感想を
あらゆる弁護士に聞いてみたい。 」と言うレスがついている。
 
その通りだ。
弁護士というのは自分の職業に偉くプライドを持って
いるようだけれど、こういう経歴の人間が同業者である事と
こういう同業者をそのまま業務につかせる倫理にもとる
自分たちの所属している業界をどう思っているのだろう。
恥ずかしくないのだろうか。そんな人達の集まりに
クライアントからの信頼が寄せられるとでも思っているのだろうか。
 
弁護士会の自浄能力に期待したいところ。
02/12/2006

違うと思う

海外放送のNHKで、神戸の判決のニュースを見た。
 
原告代表が
「戦争ですべてを奪われたのだから、すべて返してほしい。」
とコメントしていた。
 
違うと思う。そんな話をしているのではない。
「戦争ですべてを奪われた」人は、たくさんいる。
死んでしまった人は、提訴して戦う機会すら与えられない。
こんなコメントを聞いたら、私だったら
「あんただけじゃない!日本の裁判所は何考えてるんだ!」と
叫ぶだろう。
 
そうじゃなくて、戦争の被害は等しく受忍しなければならないとしても
それ以外の、「日本人として扱われなかった」という事に関しての
話をしているのだ。
 
「日本人が自分の国に自由に帰ってこれなかったこと」や
日本人なのに日本語が出来ない孤児を、国が「まぁ仕方ないんじゃない。」と
思っていたことや、それによる被害の話をしていて、裁判所もそれについて
その見解を述べていてくれるのだ。
 
原告のコメントも大事だと思うが、原告はいったいこの訴訟の意味を
わかっているのだろうか。
18/11/2006

だからエラーは責められない

「どうやって司法試験に受かったか」という講演会に出た。
そんな話を、人生を通じて聞く機会があるとは思わなかったので
すごく面白かった。無論、私は当事者でないから、興味本位で
「面白かった」などと抜かしていられるが、不合格となった受験生が、
同じ様に受験して合格した人の話を素直に聞くというのは、
もの凄く辛い事じゃないかと思う。ここで、「それでも何かのきっかけに
なるかも。」と思える事が、多分すでに能力の一端だろう。
 
30半ばのI氏。
大学を出て数年続けて受験するも、不合格が続いたため、続けての
受験を断念、ボウリング場でプロボウラーを目指した。
(落合かよ、と俯き一人で突っ込む私)
そんなある日、かつての同級生の結婚式に参列して、新郎でもないのに、
I氏が号泣したと言う。
「周りは半分以上弁護士とか裁判官になってたんです。だからきっと僕は、
こんなはずじゃなかったと、どうしてこうなっちゃったんだろうと言う気持ちも
あって、そうなっちゃったと思うんですよね。」と、I氏が言った。
 
この気持ちって、理解できる?
 
私は、あまりにも共感してしまって、ちょっと泣きそうになってしまった。
 
「こんなはずじゃなかったのに。」
「一体いつからこんな風になってしまったんだろう。」
 
あぁ、こんな想いにとらわれていた日々は長かった。
こんな想いにとらわれた事のないヒトも、世の中にはたくさんいると思う。
けれど私は、この想いから解放される過程の醍醐味を味わうために
選ばれたのだと思うようにしている。I氏も、選ばれた一人だったのだろう。
 
I氏は、緊張との闘いに勝つことが司法試験攻略のカギであったという
話もしていた。解答用紙に水溜りが出来るほどの汗をかいていたと言う。
 
「僕は野球を続けていましたが、本番に弱かったので、
プロ野球選手が試合中にエラーをしてもそれを責めた事はありません。」
と言っていた。
 
 
いいこと聞いた。
私も、そう思って、内野手のエラーを口汚く罵らないようにしようっと。
だって、内野のエラーって本当にむかつくから、腹をたてるとすごい疲れるんだもん。
 
 
28/10/2006

仕事はかぶる

うなりながら翻訳作業をしていたら、こんな夜中に
おまわりさんから電話があった。明日から、久しぶりに出動だ。
 
本当ならすごーーく嬉しいしテンション上がるところだけれど、
この、この、この翻訳が、、、。
 
と言うより、明日遅くなるとエアロビに出られんくなるやんか(涙
 
 
26/09/2006

日本とは思えない

殺人を犯したヒトが、フツーの人と同じ様に
家から出てきてゴミを捨てている。
 
とても衝撃的な映像だ。
日本では、罪を犯した人はそれなりの刑罰であり、
精神的な辱めなりを受けて当たり前だと思っていた。
 
司法の力とは何だろう。
 
安楽死事件で医者が裁かれそうになった時に抱いた疑問。
残留孤児の裁判に関われば関わるほどに深くなる疑問。
司法の場にお涙ちょうだいは通用しない。
ただ適用法令と判例があるだけだ。
ならば、情に訴えるしかない場合はどこへ行けばいいのか。
「大岡越前」でなければ裁けない事件はどこで救ってもらえる?
法律とは、何と不便なものだろう。
裁判員の常識が、大きく法曹界を変えられればどれ程いいだろう。
 
中国を「人治国家だ」と笑ったヒト達。
日本の「法治国家」がそんなに立派だと、本気で思っている?
 
22/09/2006

秋の

100メートルほど先に、幼稚園が出来た。
 
とうとう仕事が途切れて、不規則極まりなく、朝の惰眠を
貪る私の耳に、ぴぃぴぃと黄色い声が届く。
「あーもうわかったわかった!わかったから!」と
大きな声が聞こえてきて、それが若い男性の声だったので
保育士さんなんだろうなと思う。オトコの子も頑張っている。
 
うちの前の交差点を渡ろうとしているのだろうけれど
交通量が結構多い。何人くらいで渡ろうとしているのかなと
ぼんやり思っていると、どうやらパトカーが通りかかったようだ。
 
「右肩の車、今すぐ移動してください。」などとだみ声でひとしきり
あちこちを威圧した後、おまわりさんはおもむろにパトカーのマイクで
 
「えー、ただいま、秋の交通安全運動中です。」
 
と切り出した。
あきらかにぴーぴーちゃん達に向けられたご挨拶だ。
私はベッドの中で笑ってしまった。
 
秋だ。
おまわりさんもぴーぴーちゃん達の横断歩道横断が気になる秋だ。
05/09/2006

どれだけ暇か

あんまり暇だから、日本国憲法を読んだ。
1時間くらいをつぶすことが出来た。
結構面白かった。
 
夜はジムへ行き、あんまり暇だから
740キロカロリー分のトレーニングをした。
3時間つぶせた。
 
 
暇だ。
04/09/2006

長い冒頭陳述

開廷して1時間。
まだ冒頭陳述が終わらないと言う。
 
法廷通訳は、事前に貰った冒頭陳述や
弁論要旨を訳してから法廷にのぞむ。
あまりに長かったり、悪文に過ぎたりすると
本当にげんなりする。
 
刑事事件じゃないので心配無用な
ところだけれど、こんな大量に冒陳もらったら
卒倒しちゃうね。
22/06/2006

お金がなければはじまらない、のか

キレた。
 
先日残留孤児の聞取りで私は激怒した。人生の
辛酸をなめ尽くしたヒト達をさらに食いものにするような
犯罪行為が、打つ手なく放置されていたからだった。
 
その件は、よほどしっかり考えて取り組まなければ
元にもどせない困難なケース。同様の例に関しては、
テレビ局が最初にすっぱ抜いて、それにおされて入管が
仕方なく動いたような形で、解決を見ているのだ。
 
それを、何とかしたいから、弁護士を紹介してくれと
原告から電話があった。入管とか在留資格に
詳しい弁護士を私は知らない。恐らくほとんどは
「短期滞在」と「観光ビザ」の区別もつかない。
  
前回お巡りさんに話したのと同様に、立証がとても難しい、
日本の法律には一切触れていない特異なケースだ。
孤児の子供は日本人だから、「在留資格」とは関係がない。
一旦入ってきたら、「資格取り消し」も通用しない。
 
行政書士氏は
「入管はあなたたちを相手にはしてくれないでしょ?僕たちや
弁護士のように資格がある人間が書類を書いて初めて
ちゃんと応対してくれるのだよ。」と言う事と、自分がいかに
優秀かと言う話に終始する。そのくせ、孤児の子供が
日本国籍だということがなかなか理解できないようで
何回も「帰化したの?」と聞いてくる。
 
じゃかしい!男の孤児の子供なら、いつでも日本国籍に
入る事が出来るが、女の孤児の子供は、帰国3ヶ月を過ぎたら
日本国籍に入る事ができなくなって、その後は「帰化」しか
方法がなくなるんじゃ!
 
挙句の果てには
「難しい案件だから、お金はかかる事だけ覚えておいて下さいよ。」
と抜かしやがった。
 
お巡りさんが、「難しい事件だから捜査にお金がかかりますよ」と
言うだろうか。「難しい事件だからお金がかかる」と言うのはなんと
いう日本語だろう。
 
地下鉄に乗りながら、つくづく考えた。
「事件に大きい小さいはない」と考えなければならない警察と
「事件が大きければ費用がかかる」と考える行政書士。
正しいのはどちら?
私の価値観では、正しいのは警察だ。
 
お金がなければはじまらない?
それならそれで結構。私の精神はそんな場所にはいない。
 
意味不明な記事になったけれども、私は今晩眠れないほど
頭にきている。だれか助けて。
12/06/2006

私が好きになるだけのヒト

残留孤児は、最弱者で最低層の暮らしをしている。
だから、さまざまな事件に巻き込まれても、弱者のまま、
なす術を知らずに泣き寝入りをしている事がある。
今回の聞取りは3人。うち2家族は完全な犯罪の被害に
あっていて、それを解決する方法を知らずにいた。
 
弁護士はそんな時、眉根をぐっと寄せて、唸る。
それ以上の反応はない。
もとより、弁護士が何かをしてあげようと思っても、
着手金が動かなければ何をする事もない。
だから、弁護士には眉をひそめて唸るしか方法はない。
 
2件のうち1件はもう取り返しのつかない事になっていたが
1件は、私を真剣に激怒させた。信じられない程に許しがたい
被害状況が、なお引き続いて孤児の身に継続しているのだ。
 
私には、長く片想いをしているお巡りさんがいる。
あのヒトは、私の事を「やかましいだけで役に立たない、というか
むしろ仕事の邪魔をするオンナ」くらいに思っているようだが、
私は彼を尊敬しているし、とても信頼している。
 
複雑なので、説明するだけでも一苦労の事件のあらましを
電話で告げる。恐るべき理解力でこちらの情報を正確に
先取りしていく。(余談だけど、事件性のない話題の場合、
彼の理解力はちょっと同じ人間とは思えないくらい激減する)
 
電話の向こうで、だんだん彼が憤って来るのがわかる。
その温かさに、私は慰められる。
語り終えた私に彼は
「そういうのが、犯罪のインフラ部分なんだよ!」と
叫ぶように言った。
「立証するのは難しいよ、立証は正直言ってかなり難しいけど
結局はそういうのをやって行かないとダメだって事なんだよ!」
 
警察官は報酬のために動くのではない。
ただ単純な怒りと使命感が彼らを動かす。
だから彼らはいつも「何とかしなければいけない」けれど
「どうする事も出来ない」ジレンマに苦しんでいる。
誰のために?
それは自分自身の中にある自分でも気付いていない
正義感のため。それはただ、守るべき自国の国民のために。
 
お巡りさんは市民の味方。
そのお巡りさんを好きになった自分を、私は再度誇らしく思う。
 
01/03/2006

それはあかんで、お巡りさん

アジア系と間違え、埼玉県警が日本女性を誤認逮捕

 埼玉県警川口署は27日、同県川口市の無職女性(28)を東南アジア系外国人と間違え、入管法違反(旅券不携帯)容疑で誤認逮捕したと発表した。
 女性は、日本人とわかり、26日未明の逮捕から約14時間後に釈放された。
 同署によると、交番勤務の署員3人が25日午後7時40分ごろ、川口市上青木西の路上を歩いていた女性に職務質問。女性は「日本人です」としか話さず、身分を示すものも持っていなかった。署員が所持品に書かれていた母親の勤め先を訪ねたものの、身元は確認できず、26日午前5時15分ごろ逮捕したという。
 その後の取り調べで、女性が自分と家族の名前、生年月日を紙に書き、身元が判明。女性は午後7時20分ごろ釈放された。
 女性の母親は、女性が普段から他人と話すのが苦手だとしているという。
 署員は「目が大きく、彫りが深かったため、外国人だと思い込んだ」という。
(読売新聞) - 2月28日3時2分更新
 
面白すぎまっせ、埼玉県警。
「旅券不携帯」ってのは、お巡りさんが、不法在留でも不法残留でも
ない外国人を捕まえる時によく使う罪名。日本にいる外国人は、
いつでもパスポートを携帯していないといけないと言うわけです。でもさ、
日本人が日々の暮らしにおいてパスポート携帯してるわけないでしょー。
午後7時に職質かけて、逮捕したのが翌朝の午前5時?
そんなに引っ張ったらあきまへん。眠らせなかったでしょ?
普段から他人と話すのが苦手な人に、もしかして大きな声を出して、
「どうして本当の事を言わないんだ!!」って怒鳴ったでしょ?
それは、刑事訴訟法がどうとかって言う問題以前に、人間として、
他人の人生を壊してしまうかもしれないと言う、もっともっと根本的な
すごく危険な問題なんだよ。気をつけようね。
 
教訓:ヒトを見かけで判断しない。
難しいけどね。
22/02/2006

心の動脈硬化

プライベートでの私の心は、焼きすぎたレバーくらい硬くなっている。
ゆでるのに失敗した枝豆くらいぱさぱさにかわいている。
 
自分で書いていて、すごく不味そうなものを自分の中に保有して
いる気がしてきた。あかんね、これは何とかせな。
 
いや、そうじゃなくて。
 
今日感じた。私の心は、仕事で出逢う各シーンに刺激されるので
キャパシティを超えてしまい、プライベートに余地が残されていない。
 
例えば、1日ホテルのロビーにデスクを出して受付をしたりすれば
まるで「有頂天ホテル」さながらに花が運び込まれたり、コンシェルジュが
客とけんかをしていたり、もの凄く地味なタイプのベルキャプテンが
まるでネイティブの様な英語を話すので思わず聞きほれてしまったり。
 
逮捕の瞬間に立ち会えば、自分のことではなくても気持ちが動揺する。
関係のない私がこうなのだから、このヒトの心中はいかばかりだろうと思うと
誰にも見破られないように、私の感情は大きく大きく波を打つ。
ここで本国送還されてしまったら、一生かかっても来日のために作った
借金を返せなくなる、とうに青年期を過ぎた男性のノートに、少しずつ
少しずつ書き溜められた日本語と中国語の対訳単語。
中国国内の、所得格差に猛烈に怒りを覚える。
ベンツを乗り回し、体中シャネルでかためる様な富裕層に対して、農村は
変わらず1ヶ月1000円とか2000円の収入にしかならないのだ。
それも、改革解放で、相次いでいるのであろう国営企業の倒産、失業。
彼らは食べていけない。
来日のためにつくった借金は、中国にいた場合の生涯年収を大きく超える。
彼は、帰国後どうなるのか。
思うだけで心が冷える。
 
中国展開をする日本の製造業の思いに触れる時、その先に日本企業が
見ているものに圧倒されて、畏敬の念すら抱くような気持ちになる。
文化や慣習の差を乗り越えて、日本のモノヅクリが中国へと場所を移して
どこまで浸透するか。どれほどの時間がかかるだろうか。どれほど時間が
かかっても、日本のモノヅクリは諦めないだろう。中国人に、きちんと日本の
モノヅクリが理解される頃には、とっくに私がこの世に存在しなくても。
 
私の心は忙しい。
ここしばらく、朝欠かさず飲んでいるミキサーで絞るにんじんジュースで、
心も体も保湿して出陣する毎日。心も体もさらさら血液で暮らしたい。
15/02/2006

言語明瞭意味不明瞭(判決要旨の1)

「判決」というものが書かれている文章を読んだことがおありですか?
そう、わざと難解な言葉を選んで、意図的に素人をだまくらかそうと
書かれている、司法の思い上がりの権化のような、醜い文章です。
読めば読むほどその下品さに吐き気を覚える、あれです。
 
ご存じない?
 
今回、残留孤児の団体訴訟よりも先に、3名だけで弁護士も
つけずに国を訴えた引き揚げ者の方がいらっしゃいました。
77歳の鈴木さんと言う上品でお綺麗な「残留婦人」と言われる
カテゴリーの方々3名です。
 
「残留婦人」と言うのは、敗戦時に中国ですでに成人女性扱いを
受けた10代の日本人少女。日本軍が偽満帝国を放り出して
自分達だけが安全に日本へ逃げるのに必死だった時、自分らが
渡り終えた橋を壊し、線路を壊して追っ手に追いつかれないよう
色々工作した。そのおかげで彼女たち一般人は中国を脱出する
事ができず、中国に残らざるを得なくなったのです。
ここで言う「一般人」と言うのは、農民として、「満州帝国に土地を
あげるから、移住して満州帝国で農民をやったらどうかな。満州も
同じ日本なのだから、いいと思うよ。」と当時の政府に騙されて
中国人の土地を日本の土地だと理解して入植したヒト達です。
 
こんな風に書いていると、何万文字あっても足りないけれど、でも
知らないヒトがたくさんいると思うんだ。私の周囲にはもうほとんど
中国留学チーム(しかも負け犬)しか残っていないから、今更
残留孤児でも残留婦人でもないけれど、中国と台湾の区別も
つかないようなヒトがたくさんいる今、「残留孤児」なんて、全然
意味わからないヒトばかりなんじゃないかなと思うんだ。
 
敗戦後、今までは「満州帝国は日本の支店」という感じだったのが
急に「敵国人、出て行け」となり、北からはソ連軍が、南からは
中国八路軍が、頼みの日本軍はとっくに一般人を捨てて港へ遁走。
 
兵隊が足りない、兵隊が足りないと、日本の農民集団(これを
開拓団と呼びます)からさえも成年男子を徴兵し、進退極まった
開拓団に残されたのは子供と女と年寄り。逃げるあても場所もなく、
集団自決したり一人一人餓えや寒さや病いで死んでいったり、
大人は中国東北地方で命を落とすか命からがら逃げ出し、その際
足手まといになるからと、生きていればいつか必ず逢えるからと
中国人の手にあずけられた子供たちが「残留孤児」。既に大人の
女性扱いをされる年齢だったため、中国人に嫁ぐなどして中国に
残らざるを得なかったのが「残留婦人」。
 
その後、日本と中国は国交断絶に入る。敵国として戦争をした
相手なのですから、急に仲直りは出来なかったかもしれません。
でも、中国大陸にはたくさん日本人の一般人が取り残されていた。
軍人だけが何故か無事に帰国していた。
 
想像してみてください。
北朝鮮と戦争をして、勝っていたために北朝鮮の一部も今や
日本の一部ですから、と言われてあなたの親戚家族や、もしかしたら
兄弟の一家が、平壌へ渡った。勝つはずの戦争に何故か敗戦。
あなたの親戚家族または兄弟一家は、そのまま北朝鮮から
戻ってくる事が出来なくなってしまい、現在に至るとしたら。
生きているのか死んでいるのかもわからない。そんな状態なのに
「国交がないからね、無理に決まってるでしょ。」と日本国政府は
あなたの親戚や兄弟を探す努力すら全くしてくれないとしたら。
日本にいる私達はまだいいけれど、敵国に取り残され、日本政府が
全く迎えをよこしてくれない中で暮らさなければいけなくなったあなたの
親戚や兄弟の人生はどうなってしまうのでしょう?それが敗戦後30年も
かかってやっと探し始めてくれたとしたら、そんなのって、そんなのって、
その30年って、、、どうしてくれるの?
それって日本国政府の自国民に対する責任不履行と不親切じゃないの?
 
とても簡単な話なんです。
疑う余地も議論の余地もない物語、今各地の残留孤児の訴訟弁護団は
「もっと早くに迎えに来てくれてもよかったでしょう?」
「30年も経って帰って来たんだから、言葉もできないし仕事も探せない、
日本語教育や就職にもっと親身になって考えてくれてもよかったよね?」と
日本国政府に、厚生省に、そして裁判所の良心に問いかけているのです。
 
そして今回、言語明瞭・意味不明瞭の判決は、
「確かにひどい目にあったね、日本の政府は懈怠(怠けてやらない事ね)も
あったと思うよ。でもね、
 
政策立案及び実施の当否は、基本的には行政府の裁量的判断に
委ねられ、国家賠償法上の違法を認めるためのハードルは高い。
政治的責務は国民全体に対して負うもので、個々の国民に
負うものではなく、個々の国民との関係で看過できない程の著しい
政治的責務の懈怠がない限り、国家賠償法上も違法であるとは
言えない。原告らが88年までに永住帰国した事も考えると、
国家賠償法上の違法性を認めるには、今一歩足りない。
 
やだちな版日本語訳
 
(引き揚げ者の為の)政策を作ったり実施したりする事に関しての
やるかやらないかの判断は、基本的には行政が勝手に決めて
判断していいことなのだね。だから、「国家賠償法違反だ!」と
言うには、ちょっと無理っていうか、ハードル高いからねー、やっぱり。
政治的な責任と言うのは国民全体に対して考える事で、この人が
どうとかあの人がどうとか、一人一人の個人相手にとるものじゃないし
個人を相手に考えるとしても、ちょっとそれはまずいんじゃないっていう
政治的サボりと言うか怠けがあったとでも言うんじゃないと、
「国家賠償法違反!」とはいえない訳だ。
どっちにしたって、帰国が遅れた遅れたって言ってるけどさ、結局
88年までには帰って来てるわけだから、「国家賠償法違反!」
てことにするには、やっぱ今一歩足りないね。
 
だから、請求棄却。
(原告の主張は裁判所としては正しいと言えないので、原告敗訴)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
これ意味わかります?
言語明瞭意味不明瞭ですね?
なんの「ハードル」なのか、どこからどこまでの「一歩」が足りないのか、
もの凄くうまくごまかしています。だいたいね、45年に中国に置き去りに
されて、88年に帰国してって、43年も経ってるんだけど、それでも
「今一歩」なのかね?それじゃどうなってればその最後の一歩を
踏み込んでると認定されるのでしょう?「今一歩」って「今一歩」って
なんていう曖昧な日本語。そんな日本語公的文書に使いなさんな。
 
根拠もデータも理由もない文章。
こういう文章、ゴミです。通訳しようと思っても、結局中身がないから
言っても言わなくても結局一緒だった、最終的に、
「あのヒトの話し結局どういう意味だった?」と会議終わってから
再確認されてしまうタイプの文章です。
 
 
 
 
「先行行為」「不作為」「違法性」などと、体温の通わない単語を
並べている場合じゃない。それは、どうやってバスに乗るかとか、
どうやって3割引の野菜を探すかとか、そういう現実社会には一切
存在しないし意味も価値もない単語でしかない。
 
訴訟なんて意味あるのか。
裁判所なんて、日本に存在していて意味があるのか?
 
 
 
残留孤児の人々の幸せは、訴訟の向こうには絶対に無い。
もっと他の方法がある、もっと他の方法を探さなければ笑顔は見られない。
じゃぁ自分に探せるのか、といつもそこで振り出しに戻る。
実行力がないなら自分も、結局裁判所と一緒と言う事か。 
 
07/02/2006

弁護人あれこれ2

接見の時点で
「この弁護士先生はやるで。」と思った事だってもちろんある。
 
一部否認と言って、大筋は認めているけど、ちょっと細かい部分に
関して、お巡りさんが調べたことと、捕まった側の人間の言い分に
食い違っている事がある。お巡りさんの方は、調べて明らかにしている。
だけど被告は被告で色々事情があって、「その部分は違う、そうじゃない。」
と言わざるを得ない(と本人が思い込んでいる)場合がある。
 
こうなると、結構面倒。
日本の刑事裁判は、全部認めているのとそうでない場合で、裁判自体に
かかる時間や、刑の重さも違ってくることがあるからだ。やった事は同じでもね。
 
そんな案件で、私を伴って警察署へ赴いた40代の男性弁護士。
接見室に入ってドアが閉じた途端に
 
「私はあなたの弁護人です。この人は通訳さん。
見たらわかるように、この部屋にはカメラも録音機もありませんから
警察も誰も、私達が今話している内容を知る事はできません。
私はもちろん、あなたの弁護人ですから、ここで今から話す内容を
警察や裁判所に言ったりすることは絶対にありません。
どうやったら、あなたの刑が軽くなり、一刻も早くクニへ帰れるかを
相談に来たのですよ。わかります?」
 
と一言一言被告の目を見て説明した。初対面の弁護士を見ていた
被告の目つきが柔らかくなり、やがて信頼を寄せる表情へ変わる。
 
訳しながら私は「やるなー」と思っていた。この数秒の導入で、一部否認の
問題は解決されたも同然である。
 
最初に一部否認があったおかげで検察官の書いた冒頭陳述が意味なく
長くて閉口したけれど、最終的には即日判決で決着。遠いので、審理・
判決と何度も足を運びたくなかったので、非常に嬉しかった。
 
かの被告は、あの弁護士先生に当たって大正解だ。即日判決なら
判決までに2週間空いて、その時間をまた留置所で拘束されるよりも
断然いいし、あのまま一部否認していたらどうなったかわからない。
 
やる弁護士先生はやる。
全ての弁護士先生がやってくれたら、一般人民はもっと安心できるのにね。
05/02/2006

弁護人あれこれ

暇な時は、刑事の法廷を傍聴する。
浅田次郎氏も、年間何日は必ず刑事事件を傍聴するそうだ。
どんなネタ探しよりも豊富にネタが落ちているのだと思う。
 
20代後半の、大学院まで出たオトコの子が、スキーに行った所
友人が怪我をしたので友人を病院まで送り届けた帰り道、
一旦停止の標識のよく見える交差点で停止せずにつっこみ、衝突。
相手のクルマの助手席に乗っていた84歳の女性が亡くなった。
 
法廷で、スーツのオトコの子は明らかに脅えていた。うつむいて、
肩を落として、恐らく自分で自分を責めながら、法廷で裁かれる事に
ぎりぎりで無理やり耐えているように見えた。
 
一方その弁護人は弁護人席で、これ以上ない程に背もたれに
体重をかけ、そっくり返ってポケットに手を入れている。60代か。
本人尋問が始まれば
「それで、キミはその時どうしようと思ったんや?」
「それはなにか、キミのうちにあったもんか、どうや?」と聞くに堪えない
日本語。「です」とか「ます」とか知らないのだろうか。蚊の鳴くような声で
やっと答える被告に向かって「おいキミ、もっと大きな声で答えんか。」
自分が弁護しなければならない相手がどれほどショックを受けてどれほど
脅えてどれほど不安か考えてあげられるなら、そんな事いえないはずだよ。
 
検察官の尋問が始まれば、自動巻きらしい時計をつけた右腕を丹念に
左右にふりはじめ、スプリングをためるのに余念が無い。
関係ないが、どこで売っているかも不思議なような、絵の具をぶっちゃけて
ぐるぐるまぜたみたいな凄い柄のネクタイだ。
 
いざ弁論が始まると、今度は弁護人が蚊の鳴くような小さな声。
全く完全に意味不明である。傍聴席から身を乗り出さないと聞こえない。
 
こんなんでも裁判って意味があるのかなぁ。
刑事事件の通訳の仕事をもらうたびに同じことを思う。
こんな裁判って意味があるのかなぁ。
国民はもっと裁判と裁判所に興味を持って、こんなんでいいのかどうかを
積極的に判断するべきだと思う。
裁判所も裁判官も、税金で回しているのだし。
31/01/2006

抜けるか、肩の力!

ひさびさにお巡りさんからお呼びがかかる。
到着したら、台湾女性の通訳さんがすでに何人も呼ばれていた。
彼女達はすでにお仕事20日目だという。
 
10時からの仕事に10時10分に到着して、書類にサインするのに
「えー、ペンない、忘れた、ペン貸してぇ」と甘い台湾訛りの国語。
内心「えーかげんにせい、仕事に来とんやろが」と思うけれど、
私へのオファーよりも先に、彼女が呼ばれているわけだから、
評価としては私より彼女の方が上、のはずである。
 
話していると、よく笑うしかわいらしい。
通訳同士によくある、牽制したり様子見したりというのがない。
 
そう、だからこそ繰り返しオファーが来るのだ。
語学能力だけが全てではない。そして恐らく、遅刻するかしないかとか
ペンを持っているかいないかなどはどうでもよくなる何かがあるのだろう。
 
仕事だと聞くと眉を吊り上げて、完全武装で、
がつがつしてかわいげない私。
自分で「あれをしてはいけない・これをしてはいけない」と決めてかかり
単語数だ発音だ、声の張り方だ、スーツのセンスだ、なんだかんだ。
 
もっと肩の力を抜いて仕事に向かってもいいような気が、今日、突然、した。
できるだろうか。
22/12/2005

母と交通課

わが母は、車の免許をとったら2輪の限定解除がついてきた
と言う年代に免許を取っている、そりゃもうベテランのドライバー。
 
で。
 
先日彼女は、朝の9時まで一方通行という道路で
朝8時58分にお巡りさんに切符をキラレて激怒していた。
しかし、これは実は、交通課のお巡りさんによる復讐劇だと言う事を、
私は密かに知っている。同情すべきお巡りさんに、私は「よかったね」と
声をかけたいくらいでもある。
 
私に子供がいないせいで、彼女は「おばあさん」と呼ばれる事に
とてつもなく抵抗を感じている。そんな彼女が、シートベルト不着用で
数年前に道端でお巡りさんに捕まった。悲惨だったのは捕まえた方だった。
だいたい二人組で動いているお巡りさん、この時はまず年配の方が
母の前に座り、彼女の切符を作成したようだ。作成後、お巡りさんは
母に署名させるべく、
 
「おばあさん、まぁ運が悪かったけどねぇ」と第一声。母の怒りに油を注ぐ。
「だけどおばあさんねぇ、シートベルトは着用だもんで、決まりだもんで、」
「だもんんでねぇおばあさん、」とお巡りさんは薄氷のあやうさに全く気づかず
「おばあさん」を連発する。そして、氷が割れる。
 
「私、あんたのおばあさんじゃないでね。」と母が口を開いた。
 
恐らく、この口調で彼女が口を開いたら、パトリオットでもノドンでも迎撃は
不可能であろうと思う。同情すべきはお巡りさんだ。
 
「あんまりおばあさんおばあさんて言われたもんで、なんか年寄りみたいな
気分になって、だんだん目が見えんくなってきたわ。」と言ってやったと、
後日彼女は得意気に私に話した。
 
タイミング最悪で、片割れの、若い方がこちらへ向かって歩きながら
「いやいや、おばあさん、シートベルトはねぇ。」と言ったんだそうである。
 
母、心の中でガッツポーズ。年配の方が苦い顔で若手に目配せしても
とき既に遅し、覆水盆に帰らず、口は災いのもと。
 
「あんたたちが言うようにおばあさんだもんで、これ以上字が書けんわ。
悪いけどこの続き、若いあんたたちで私のかわりに書いて頂戴。」
 
勝ち誇った母が宣言する姿が目に浮かぶ。あぁ、哀れ交通課。
 
母の元に怪しいリフォームの業者が来たとき、彼女は高らかに
「私はこの家の屋根がはずれても床が抜けてもそのまま住むつもりだで。」
と宣言してリフォーム業者をやっつけた。葬儀場がそばに出来て挨拶が
来た時には
「何?私に早く死ねって言うこと?」と切りかえして相手を固まらせた。
 
晴れて彼女は数時間をかけてシートベルト不着用にも関わらず
お咎めなしで帰宅したのである。お巡りさん、お疲れさま。
 
 
先日の一方通行逆送に関して彼女は
「いかんわ、今度はおばあさんって言われんかったもんで。」と
残念がっていた。私は小さな声で
「おばあさんと呼びかけてはいけないって、多分マニュアルに新しく
書き込まれたんだと思うよ。」と返事をしておいた。
 
 
人は誰でも名前を持っている。単に誰かの妻だったり母だったり
する訳ではないから、相手を尊重する気持ちがあれば、
免許証で名前を確認した後にもまだ代名詞で呼ぶ事はないと
思う。たとえ相手が違反者であってもね。
 
 

ATM盗撮

愛知県の顧客のカードが盗撮されて、偽造キャッシュカードと
なって使用された。この銀行、愛知県の人間ならたいていは
口座を持っているだろう銀行。メインバンクにしている所も多い。
 
Yahooの記事はこう結んでいる。
 
実行役は、映像受信機で盗撮したり、隠しカメラを設置したATM台に客を誘導するため一方の前に立つなどの役割を分担していた。調べに対し「中国語を話す者に指示された」と供述しており、黒幕に中国人グループが関与しているとみて捜査している。
 
私の知っているお巡りさんは「盗犯」が専門で、私はその
お巡りさんの事が大好きだ。足の先から頭のてっぺんまで、
お巡りさん以外の何者でもいられないくらいのお巡りさんぶりが
どうしようもなく好感を呼ぶのだ。思想的にはすれ違う事が
多いんだけれどもね(汗
 
小さな子供の殺された事件も、スキミングや強盗も、
お巡りさんたちは全力で事件と向き合っている。
何日間も眠らなかったり、どんな大事な電話にも出られなかったり。
それでも、
「おれらーはよ、被害者のために働いとんだわ。」と名古屋弁で
口をそろえる。
 
歳末、物騒になるけれども、よろしくお願いします、お巡りさん!