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    3/2/2007

    「愛の倫理」から「愛するということ」へ

    飯田史彦先生が、よくできていると思う作品を
    自分で選ぶとしたら「愛の倫理」だ、と
    言っているのをみかけたので、読んでみようと思い、
    読んでいくうちに、71ページ。

    「貧しい人の方が豊かな人より気前よく与える。
    しかし、貧困がある程度を超えると、与える事が
    できなくなる。貧困は人を卑屈にするが、それは
    貧困生活がつらいからだけでなく、与える喜びが
    奪われるからでもある。」

    というような事が書いてあり、なんとこれは
    ドイツのフロムという精神分析学者の
    「 愛するということ 」
    という名著からの引用だった。

    私は、よく貧困を理由にしてひがむ。
    同業者といえば既婚者で、副業的に仕事をしている
    人が圧倒的に多い。同級生のビジネスマンに比べれば
    年収は圧倒的に低い。と言っては、私はよくひがんでいた。

    けれど私は、誰かに与えられないほどまでの貧困に
    陥ってはいない。ありがとうの気持ちに、ちょっとした
    チョコレートやシュークリームを添えるくらいの収入はあるし、
    なんと言ったって、それを受け取ってくれる友人がいる!

    という凄いことに気づいた。

    なんてこった。

    飯田先生ありがとう。
    難しい本を読むのはいやだから、ここで先生が
    引用してくれなかったら、こんな凄い言葉に
    触れることはきっと一生なかったと思う。

    「与える喜び」を私に感じさせてくれてありがとう。

    きっと、もう貧困を理由にひがむことはないと思う。
    8/17/2006

    話題の本のタイトル

    大きな書店に行くと、売れ筋の本が並べてあるのだと思うが、
    どうもそのタイトルを読んでいるだけで吹き出してしまう。
     
    「警察裏物語」
    うひゃひゃ、読みたい読みたい。OBが書いているのか、それとも
    敵対勢力による悪口本か。いずれにしても興味をそそるわぁ。
     
    「いわゆるA級戦犯 -日本にA級戦犯などいない」
    思わず作者を目で追うと、きたきた「小林よしのり」!私は一時期SAPIOを
    とても一生懸命読んでいたから覚えているよ。ていうか、ウザい。
     
    「トヨタ・レクサス 惨敗」
    うーん、やっぱりトヨタ叩き本は売れるということなんだろうね。
     
    「インド人はなぜ言い負かすのがうまいのか」
    これバカウケしました。「え!インド人も??」と呟いちゃった。
    中国人もこれは凄い。一切こちらの主張に耳を貸さない、と言うのが
    言い負かす秘訣だと思うわ。本気で中国人と主張を争うと、うっかり
    平手で叩きたくなるもん。つまり、絶対に言い負かすことが出来ないという事なのね。

    「トヨタの正体」

    お金がないので、あまり本屋には行かないようにしている。
    OLだった頃はお金があったので、湯水のように本屋で
    使っていた。華やかなりしバブルの記憶だ。(年がばれる)
    いまや「電車男」ですらすぐには買えず、100円になるまで
    ブックオフで粘って、つい2週間前にやっと読んだ_| ̄|○
    逝ってよし。
     
    注意していてもうっかり大きな本屋に足を踏み入れてしまう事がある。
    私が買ってしまう危険性が大きいのは文庫本なので、そういった大きな
    本屋の1階に並べてある雑誌にはあまり危険性を感じない。
    ところがそれなのに、「電車男」はあんなに読みたかったのに
    我慢できたのに、見た瞬間に手にとって買ってしまった本。
     
    「トヨタの正体」
     
    あー。読む前からわかっていたけれど、単なる悪口本。
    専業主婦がランチを摂りながら姑の悪口を並べているような冗長さで
    100頁強がつづられている。あっという間に読めてしまうが、読後の不快感は
    なかなか滅多にお目にかかれないレベルの高さかもしれない。
    「悪口」は一向にかまわない。でも、「だからこうしたらよくなるのに!」という提言が
    一切述べられていない文章には、お金を出してまで読む価値が感じられない。
    しかし問題なのは買ってしまった自分だ。うーむ。
    8/13/2006

    名鉄特急

    名古屋鉄道のパノラマ特急は、名古屋駅を出るときに
    派手な警笛を鳴らす。幼少時代から聞きなれたとしたら、
    大人になって聞いた時には絶対に郷愁をそそられる、
    ものすごく印象深い音色の警笛だ。
    ♪ ミド#ラ ミド#ラ ミド#ミラ~ ♪
    「どけよ どけよ どけどけ~」と歌詞がつけられていて
    「どけよホーン」と呼ばれているのだそうな。
     
    1ヶ月ほど前の、本当に気持ちよく晴れた日、名鉄本線の
    終着駅での仕事に向かった。スタバの珈琲と吉本ばななの小説を
    バッグに突っ込んで、「パノラマ席」に乗り込んだ。「パノラマ席」は
    運転席の上に設置されている、進行方向を180度展望できる、
    ちょっとおこちゃまチックな席。まるで海外のリゾート地に
    来たかのような、気持ちまで180度解放されそうな晴天だった。
     
    その日、パノラマ席で読んだのは吉本ばななの「デッドエンドの思い出」。
    一番最初の短編が、もう本当にいやらしい(エロティックという意味です)
    恋愛小説だった。結構びっくりしながら、車窓に流れる風景と重なって
    様々な記憶が蘇った。
     
    私は、この地方で長く暮らしていて、色々な人と時間を過ごしてきた。
    車窓から見える、きつい陽射しに照らされる国道。
    様々な人と様々な車で様々な場所へ移動した。
    付き合っていた人と、見合い相手と、友人の彼と、片想いの相手と。
    ほとんどの人と、連絡は途絶えてしまったけれど、その時その一瞬は
    どうしようもなく存在していた。人生なんてそういうような、意味があるのか
    ないのかはっきりしない事の繰り返し、積み重ねなのかも知れない。
     
    暑いけれど、何もかもがぎらぎらと輝いて見える夏のひざしが大好きだ。
     
    6/26/2006

    ダヴィンチコード

    翻訳ものは読まない。
    ごつごつした日本語がキライなのだと思う。
    「を」と「に」の区別できてない日本語を、
    お金を出してなんて読めない。
     
    ところが最近無料でダヴィンチコードを手に入れた。
     
    私は美術芸術に知識も興味も全くなくて、パリまで
    行って、ルーブルの入り口で友人と別れ、玄関横の
    カフェでお茶を飲んで待っていたという不謹慎さで、
    確かロンドンにいたときにも大英博物館に行かず、
    台湾故宮ではわき目もふらずまっすぐに歩いて
    出口まで到達したため、ガイドから「今までで最速」と
    嫌味を言われた。
     
    興味ないんだから仕方ないじゃん。
     
    ダヴィンチコードは面白い。今中巻の真ん中くらい。
    ダヴィンチの絵画作品の名称や歴史背景などが
    ふんだんに出てくるけれど、難解ではない。かといって、
    「最後の晩餐、やっぱり生で見ておくんだった!」って
    ことでもない。
     
    今んとこフランスを舞台に展開されている物語に、
    バリバリのイギリス爵位の偏屈オヂサマが登場する。
    フランス嫌いは相当なもので、うなる資産と名誉に
    ものを言わせて城を買い取り、治外法権をうちたてて
    フランス内の独立国家のように暮らしている。
    そのオヂサマ、なぜか執事にフランス人を雇っていて
    それが読者には特別奇異に映る。それを証明するように
    イギリス爵位のオヂサマが自分の執事を紹介する様子は
    こうだ。
     
    「レミー・ルガリュデ、私の執事だ。」
    痩身の執事はしかつめらしく会釈し、立ち去った。
    「彼はリヨンの出身だ。」まるでそれが痛ましい病気で
    あるかのように、彼は声をひそめた。
     
    ここ読んで、近鉄の中で吹き出して笑ってしまった。
    気持ちはわかる。
    出身地を聞いただけで、「ご愁傷様」と言いたくなる地名を、
    私は少なくとも世界中で一ヶ所だけは、自信を持って知っている。
    6/13/2006

    誰かをうらやむこと

    昨日浅田次郎の本を買った。
    「浅田次郎名言集」みたいになっていて
    各作品から人生の教えとなるようなフレーズを
    抜き出して一冊にまとめているようだ。
    「僕は人生をこう考えている」というような
    題だったかな。
     
    今日、10歳くらい年下だと思って最近の現場で
    一緒に働いていた中国語通訳の女性が、実は
    2歳年上だということがわかった。
    なるほど、と妙に納得した。中国語の発音も運用も
    とてもじゃないけどプロの通訳というには荷が重い
    実力なのに、現場でこちらがどんなに親切に
    アドバイスをしても、口答えばかりで素直に聞こうとしない。
    私はてっきり年下だと思っていたから容赦なく色々
    言ったけれど、彼女は自分の方が年上だと知っていたから
    素直に聞けなかったのだ。
     
    素直に聞けないならその年齢にふさわしいだけの実力と
    現場処理能力をつけるがいい。その年でそのレベル、
    報酬をもらうにはいささか厳しいのでは?
     
    浅田次郎の本に
    「どんなに金持ちや恵まれているヒトの人生を見ても
    羨ましいとは思ったことがないし、そのヒトと代わりたいと
    思ったことも一度もない。」というような事が書いてあった。
     
    私は今まで若く見えるかどうかに命かけてもいいほど
    こだわって来たけれど、彼女のような形で若く見えるのは
    全く羨ましくないどころかごめんだと思った。
     
    人間勝手なもんである。
    3/30/2006

    末来の古典??

    「ノルウェイの森」を中心とした村上春樹作品、
    世界中で翻訳されて大ブームになっているのだそうだ。
    東京のでかい本屋のお嬢さんが
    「えぇもう大人気ですよ。はっきり言って未来の古典です。」
    とテレビかめらに向かって言っていた。
     
    。。。。。そうですか。。。。。
     
    大学出て就職したばかりの頃、村上春樹を大量に
    読んだような記憶があるけれど、読んだ記憶すら
    曖昧なくらい、私には印象が薄いの。
     
    そんなに人気があるものを読んでも感銘を受けられない。
    自分ってやっぱりマイノリティだよなぁ、とつい後ろ向きに
    思ってしまう辺りが、負け犬中の負け犬発想
     
     
    3/29/2006

    再読ブーム

    ナルニア国物語が映画になったのを記念して、小学生で読破した
    「ナルニアシリーズ」をこの年になって再度読破した。
    そりゃもう面白くて仕方なかったけれど、平仮名ばかりでちょっと疲れた。
     
    日中英と出来ていれば長期でとれていた仕事を取りそこなったので
    復讐を兼ねて、「ナルニア国ものがたり」の原書を読み始めた。
    「ライオンと魔女」と訳されている原題は、
    「The Lion, the Witch and the Wardrobe」で、
    「ライオン、魔女、そして衣装ダンス」と言うもの。
    題名だけでわくわくしてしまう。
     
    訳本を読んで映画を観て、ストーリーは完璧に頭に入っている上に
    携帯を機種変更して辞書つきのものにしたので、すいすい読める。
    (と言うのは読んでいるとは言わないか)でも、やっぱり日本語の
    本に比べるとスピードは遅いし、集中力が途切れて、飽きる。
     
    よって必然的に地下鉄の駅で見かけた「ホワイトアウト」を150円で
    衝動的に購入し、結末にたどりつきたいばかりで、高速で詳細を
    とばし読み、二日で読み終えてブックオフへ返却し、返却のついでに
    片岡義男の「彼のオートバイ彼女の島」を購入。これは高校生の
    時に全作読んだ片岡作品の中でも印象の深い長編。
    年若き主人公と一緒に「カワサキ」で信州を走りぬけ、とうとう
    一昨日には筒井康隆の「エディプスの恋人」を買ってしまった。
     
    中学一年で、ハードカバーで読んだ。ご存知(あ、ご存知じゃない?
    お若い方ですね?)絶世の美女テレパス七瀬のお話で、
    本当に久しぶりに筒井康隆を読んだけれど、やっぱり凄いな、と思う。
    面白すぎるから先を焦るのだけれど、とばし読みが出来ないのだ。
    一文字一文字がこちらを掴んで放してくれないから、早く先を
    知りたいのに、きっちりと全文字読んで行かないといけない。
    でも、少しももどかしくない。うーむ、凄いね。
     
    自分の存在にリアリティが感じられなくなって、この世界は現実か
    虚構かと、最後になって終わらない不安にとりつかれる
    美しいテレパスの気持ちの動きがしっかりと書きこまれた
    最後の数ページを読みながらこんなんが中学生に
    わかるもんかと思った。
     
    つまり、今は痛いほどわかると言うことなのだろうね。
    9/4/2005

    「播磨灘物語」司馬遼太郎

    ツアーガイドの仕事と言うのは、実は通訳の仕事より
    大変だとも言えて、それは、「誰かの発言」をインプットして
    アウトプットすればいいのではなく、「自分の引き出し」から
    インプットなしでアウトプットしなければいけないからだ。
    これはすでに語学力とは関係ないところでのおはなし。
     
    と言う事で、改めて歴史ものを読み直す。
    京都あたりを攻めようと思うと、室町戦国から江戸時代。
     
    高校時代から司馬遼太郎のファンで、「燃えよ剣」は
    繰り返し読んだ。と言うよりは、「燃えよ剣」の歳さんのファン。
     
    「播磨灘物語」
    黒田官兵衛、後の黒田如水。
     
    地下鉄の中で、はっとする表現にであう。
     
    「人間の神経はかならずしも鋭敏でなく、
    飢え以外のたいていの肉体的苦痛に耐えられるが、
    差別と蔑視にだけは耐えられない。」
     
    間違いない。高い席に座る裁判官は、この、司馬先生の
    書いた三行の日本語の意味がわかるだろうか。
    「差別と蔑視」を味わった事のない裁判官にはまずわかるまい。
     
    人生に、やはり挫折は必ず必要なのだ。
     
    8/9/2005

    「パイロットフィッシュ」大崎善生

    世の中に、レコードの「ジャケ買い」という単語をよく耳に
    するけれど、本の場合は「装丁買い」とでも言うのだろうか。
    私は昔から文庫しか買ったことがないので、昔からどうも
    「角川」に弱かったし、「新潮」の類は「武者小路実篤」
    とか「夏目漱石」といった作家の、えんじ色を更に
    煮詰めたような地味な装丁しか覚えていない。
     
    好きな作家の本は、徹底して読んでは集めていたので
    20年以上前に読み漁った「角川」の片岡義男の
    数十冊は古い装丁のものが実家にそのまま眠っている。
    もしかして、タグホイヤーの腕時計以外に財産の
    ない私にとっての、タグより大切な財産かもしれない。
     
    最近ではめったに本屋に行かないのだけれど、ちょっとした
    プレゼントを買いに立ち寄って、久々に文庫欄をじっくり
    見てみたら、やっぱり「角川」の装丁に吸い寄せられてしまった。
    手にとって、開いた1ページ目の書き出しはこうだ。
     
     
      人は一度巡り合った人と二度と別れることは出来ない。
    何故なら人間には記憶と言う能力があり、
    そして否が応にも記憶と共に現在を生きているからである。
     
     
    この人は、忘れてしまいたいけれど忘れる事の出来ない痛みを
    抱えたまま、忘れる事を諦めながら痛みと共に暮らしている、
    と言う事がこの3行からわかる。
     
    私には昔、本当に好きで好きでどうしようもなかったヒトがいた
    のだけれど、そのヒトは私と別れるときに、上の様な事を言った。
    私はバカだったので(というか今もバカなんだけど)その大好きな
    ヒトが言った言葉を信じなかった。
     
    今ならわかる。
    私は、彼を離れた事はないから、彼も私を離れた事は
    きっとないだろう。出逢いがあったなら、別れはない。
     
    この、半端なく暑い今年の夏に、「パイロットフィッシュ」で
    甘い痛みを思い出してみてはいかがでしょう。
     
    6/20/2005

    涙の理由その3

    勢いで全理由告白します。ほんとに大した事ないんです。

    心配してくださった方(もしいらっしゃったら)どうか怒らないで下さいm(__)m

     

    結果から言うと、某弁護士先生にお借りした、浅田次郎の

    「天切り松闇語り」という本をハイペースで読み飛ばしていたから。

     

    「平成のお涙ちょうだい」と呼ばれる浅田次郎。

    でも私は、文庫になった本はほぼ全て読んでいる浅田ファン。ストレス

    溜まると浅田次郎を読んで号泣。地下鉄でも韓国料理屋でも

    ところ構わず号泣。ここ数日は、相乗効果で号泣(苦笑)

     

    明日から、仕切りなおし。張り切って仕事。寝不足も解消!!